VOL.411『箸の格』
以前、飲食店の口コミサイトで
『高級料理店に行ったら割り箸だった。信じられない!』
という投稿を読んだことがあります。
きっと、”塗りのお箸” のほうが高級感があって
格上という印象だったのだと思いますが、
実際のところ「割り箸」のほうが格上です。
清浄であることを重んじる日本人にとって、
どんなに高級な塗り箸だとしても、洗って何度も使えるものよりも、
一度きりしか使えない割り箸のほうが格が高いと考えるんですね。
なので誰かをご自宅に招いておもてなしをする際は、
割り箸を用意されると良いです。
おもてなしの箸
千利休は、お客様を招くとき、吉野杉を取り寄せ、当日の朝に一膳一膳
丁寧に木を削って、その日のお客様のために箸をこしらえた、と言われています。
削った杉の香りもおもてなしの演出の一つでした。
利休箸は、両端が細くなっている「両口箸」です。
「両口箸」には、一方は人間が食事をし、もう一方は神様が食事をする、
人と神様が食事を共にする【神人共食】という意味があり、
ハレの日に使うお箸です。
両端が細くなっているからといって、
ひっくり返して反対側を取り箸として使ってはいけません。
毎日の食事では、いつものお箸を。
お客様を招いたりお祝いだったり、ちょっと特別な日には両口箸を用意し、
いつもとは違う箸置きを使うだけで食卓にメリハリが生まれます。
すると食事の所作も自然とちょっと変わります。
日常に溶け込んでいる道具だからこそ、変化を実感しやすいですね。
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今日は残りの人生で一番若い日♪
凛とした姿勢と温かい言葉で充実の一週間を!
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