VOL.439【姿勢編8】『ストレートネックを改善する』

【姿勢編】第8回のテーマは『ストレートネックを改善する』です。

ストレートネックは、前回の「巻き肩」とも連動しているので、合わせて対策しておきます。

 

ストレートネックとは

ストレートネックとは、本来ゆるやかにカーブしているはずの首の骨(頸椎)が、

不良姿勢を続けることによって、まっすぐの状態になってしまっていること。

 

頸椎は、ゆるやかなカーブがクッションのように働いて、

体重の約10%もの重量がある頭を支えています。

 

しかし、頚椎本来のカーブが失われて首が前に出ると、

頭の重さを支える首や周辺の筋肉への負担が増大し、コリや張り、頭痛などに繋がります。

 

ストレッチしたり、首や肩を揉んだりすることで一時的に痛みが和らいだとしても、

根本のストレートネックを改善しない限り、痛みはまたすぐに戻ってきます。

 

また、「姿勢とメンタルの関係」でお伝えしたように、

首(頸椎)は自律神経の働きにも大きく関与しています。

ストレートネックの状態が続くことで、身体症状だけでなく、

精神的な不調にもつながりかねない、ということですね。

 

ストレートネックかどうかの簡単なチェック方法

壁を使ってセルフチェックしてみます。

1,壁を背にして自然な姿勢で立ちます。

※ここでは「姿勢良く立とう」とは思わず、普段通りの感じで力を抜いて立ってください。

 

2,肩甲骨、お尻、かかとが壁に付いた時、

”意識して頭を後ろに引かないと後頭部が壁につかない” 場合、ストレートネックである可能性が高いです。

 

 

ちなみに、レッスンで生徒さんに壁立ちをして頂いた際、

自然と頭が壁についた方は、一人もいらっしゃいませんでした。

実際、国民の8割~9割がストレートネックだと言われます。

程度の差はあれ、ほとんどの人がストレートネック状態であると言えます。

 

エクササイズ前にほぐす

ストレートネックを改善するエクササイズの前に、じんわりと首をストレッチしてほぐしておきます。

 

1、右手を左側のこめかみ辺りに置き、ふぅーと息を吐きながら、

手の重みで頭を右側にゆっくりと倒していきます。反対側も同様に。

 

2、後頭部の辺りで両手を組み、ふぅーと息を吐きながら手の重みで頭を下げていきます。

アゴを胸に近づけるイメージです。

さらに頭を左右にゆっくり振って、首の後ろを満遍なくほぐしします。

 

気持ちよくほぐれたら、エクササイズに移ります。

 

◆あご押しエクササイズ

 

1.まず姿勢を正します(立ってても座ってても可)

2.体(肩)の位置は動かさないようにして頭(顔)だけをグッと前に出します。

3.あごに手を当てて、頭を水平にスライドするように“後ろ”へ押します。

(あごだけを下げて下を向くのではなく、頭ごと水平移動します)

4.2~3を5~10回ほど繰り返します。

一日に何度やってもいいので、思い立った時にちょこちょこやります。

 

◆押し合いエクササイズ

 

・首の後ろを鍛える

1.後頭部の辺りで両手を組みます。

2.頭は後ろ方向へ力をかけ、手は前方向に力をかけ、手と頭で押し合います。

こうすることで、後頭部と背骨をつないでいる『頸板状筋(けいばんじょうきん)』が鍛えられます。

 

・首の前側を鍛える

1.額の辺りで両手を組みます。

2.頭は前方向へ力をかけ、手は後ろ方向へ力をかけ、手と頭で押し合います。

こうすることで、耳の後ろから鎖骨に向かって斜めに伸びている『胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)』が鍛えられます。

 

※呼吸を止めず、息を吐きながら、大体20秒くらい押し合います。

こちらも一日に何度やってもいいので思い出したらちょこちょこやります。

 

◆◆◆まとめ◆◆◆

・ストレートネックとは、本来ゆるやかにカーブしているはずの首の骨(頸椎)が、

まっすぐの状態になってしまっていること。

そのせいで、頭の重さを支える首や周辺の筋肉への負担が増大し、コリや張り、頭痛などに繋がる。

 

・首(頸椎)は自律神経の働きにも大きく関与しているので、身体症状だけでなく、精神的な不調にもつながりかねない。

 

・壁を背にして自然に立ち、肩甲骨、お尻、かかとが壁に付いた時、

”意識して頭を後ろに引かないと後頭部が壁につかない” 場合、ストレートネックである可能性が高い。

 

・あご押しエクササイズ:

姿勢を正し、頭(首)を前に出したら、手をあごに当てながら頭を後ろへ水平移動させる。

 

・押し合いエクササイズ:

1、後頭部で両手を組んだら、頭と手で押し合う。

2、額で両手を組んだら、頭と手で押し合う。

 

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ストレートネックは「スマホ首」とも言われるので、スマホだけが原因のように思われがちですが、

デスクワークはもちろん、料理人や物作り系など下を向くことが多い職業や、

ピアノやギターなど楽器の演奏、日々の家事、炊事、育児なども下を向くことが多いので、

普通に生活しているだけでもストレートネックの原因となるような姿勢は正直避けられないと思います。

 

だからこそ、何度も書いていますが、

合間にちょこちょこエクササイズして、一日に何度もリセットする

というのが本当に大事になってきます。

 

前回の「巻き肩改善エクササイズ」と合わせて、

今ある生活習慣の中にうまく溶け込ませながら予防、改善したいですね。

 

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次回は、背骨を支える大事な筋肉、「脊柱起立筋」を取り上げます。

脊柱起立筋は、骨盤から背骨の両脇を通り、頭蓋骨まで続く、大きくて長い背中の筋肉です。

姿勢維持に欠かせず、寝ているとき以外は休む暇がないので、張りやコリを感じている人も多いかもしれません。

しっかりとほぐしながら鍛えていきたいと思います☆

今週もお疲れさまでした!

 

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今日は残りの人生で一番若い日♪

凛とした姿勢と温かい言葉で充実の一週間を!

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