VOL.438【姿勢編7】『巻き肩を改善する』

【姿勢編】第7回のテーマは『巻き肩を改善する』です。

 

その前に、ここまでのテーマをざっくりおさらいしておきます。

 

VOL.432【姿勢編1】『姿勢とメンタルの関係』

・キーワードは「自律神経とセロトニン」

・姿勢が悪い⇒上部頸椎に負担⇒神経伝達が悪化⇒自律神経が乱れる

・姿勢が悪い⇒呼吸が浅くなる⇒交感神経優位に⇒自律神経が乱れる

・セロトニンは、自律神経のバランスを整えるとともに、

姿勢を維持する筋肉を活性化し、精神の安定、安心感、平常心につながる

・ウォーキング(歩禅)は、セロトニンを活性化させ、姿勢も改善され、自律神経も整える。

 

VOL.433【姿勢編2】『いわゆる“良い姿勢”とは?』

・良い姿勢とは、骨と骨との連なりが自然体(ニュートラル)な姿勢のこと

・ニュートラルな状態は、

◆耳たぶ、

◆肩峰(肩のぐりぐりした骨)

◆大転子(太ももの付け根のでっぱり)

◆ひざ(お皿の後ろ側)

◆くるぶし(外くるぶしの前の辺り)

この5点が一直線になっている。

・ 自分の姿勢の改善すべき点を見つけ、必要な筋肉を強化 or ストレッチして筋力のバランスを整える

 

VOL.434【姿勢編3】『座り姿勢を整える』

・座り姿勢で大切なのは『坐骨で座る感覚』

・良くない座り姿勢 3選

1、前かがみ(猫背)

2、仙骨座り

3、反り腰

・座り姿勢は”意識”だけでは崩れやすい。PCを置く高さなど環境から整える。

 

VOL.435【姿勢編4】『姿勢のために必要な筋肉』

・【抗重力筋】は姿勢を保持するための筋肉。

・腹筋は四層構造。姿勢にとって大事なのは、インナーマッスルの腹横筋。

・腹横筋を鍛える【プランク】を正しいフォームで行う。

 

VOL.436【姿勢編5】『姿勢の要 ”大腰筋” を鍛える』

・大腰筋が衰えると、骨盤がゆがみ正しい姿勢を維持できず、

内臓が下垂して下腹がぽっこりし、小さな段差でつまづきやすくなる。

 

・筋トレ1「もも上げ足踏み」

太ももを床に水平になるまで上げ足踏みする

 

・筋トレ2「レッグレイズ」

仰向けに寝て、両脚を上げ下げする

 

1、なるべく階段を使う(太ももを上げる)ことで大腰筋が鍛えられる

2、腹式呼吸で横隔膜を動かすことで、大腰筋も働きやすくなる

 

VOL.437【姿勢編6】『所作の安定感の源 ”大臀筋” を鍛える』

・「心技体」の順番は、体→技→心。まずは土台の体作りから。

・お尻の筋肉は、骨盤の安定をサポートする&股関節を動かす働きがある。

・「踏み台昇降」は、体幹~下半身の筋肉をまとめて鍛えられ、心肺機能が高まり、血行も良くなる。

 

 

巻き肩の改善方法

というわけで、第7回のテーマは「巻き肩」です。

 

巻き肩の原理は、

 

胸(前側)の筋肉が縮んで短くなる

背中側の筋肉が伸びる

肩が前方に引っ張られる

 

なので、縮まって肩を前に引っ張ている筋肉をゆるめ、

伸びてしまった背中側の筋肉を強化すれば

肩の位置を元に戻すことができます。

 

具体的には、

「小胸筋・前鋸筋(ぜんきょきん)」をゆるめ、

「菱形筋(りょうけいきん)」を強化します。

1、小胸筋をほぐす

2、前鋸筋をほぐす

3、菱形筋エクササイズを行う

 

1、小胸筋をほぐす

小胸筋は、肩の付け根から胸に向かって伸びています。

まず肩の付け根辺りに指をあてて、指圧しながらほぐすようにマッサージします。

小胸筋に沿うように少しずつ移動させながら、痛みを感じない程度の力加減でほぐしていきます。

テニスボールを使うと、より深いところまでほぐせます。

床でうつ伏せになったら、小胸筋にテニスボールを当て、

体を小さく前後左右に動かしたり、体重をかけるだけでもいいです。

 

2、前鋸筋をほぐす

前鋸筋は、肩甲骨の裏側から肋骨に付着している筋肉で、ちょうど脇の下あたりにあります。

ここが硬くなると、やはり肩が前に引っ張られてしまうので、時々マッサージして緩めておきます。

 

<やり方>

1.左手で右側の前鋸筋のあたりをグッと押さえます。

2.押さえながら、肩を後ろに回します。(10回程度)

3.反対側も同じように肩を後ろ回しします。

左右10回ずつ×2セットくらい行うとほぐれてきます。

 

<ポイント>

・筋肉の動きが感じられるくらい圧力をかけて、しっかりと前鋸筋を押さえます。

・肩を回すとき、肩が上がらないよう(首をすくめないよう)気をつけます。
(首を長く伸ばしながら行っているイメージ)

・巻き肩を改善させたいので、後ろ回しだけでいいです。

 

前鋸筋が凝り固まると、二の腕にも脂肪がつきやすくなるそうなので、

まめにほぐしたいですね(^_^)

 

3、 菱形筋エクササイズを行う

前側の筋肉がほぐれたら、菱形筋を活性化させます。

菱形筋は、肩甲骨の内側についている深層筋で、

肩甲骨を引き寄せ、正しい位置に保ってくれます。

菱形筋を鍛えることで、姿勢改善はもちろん、

慢性的な肩こりの改善も期待できます。

 

<手順>

1.脚を肩幅くらいに開いて立ち、姿勢を正します。

2.両手でタオルを肩幅より少し広い長さに持ちます。(なるべくタオルをピンと張って)

3.両腕を上に伸ばして、頭の真上にタオルがくるように真っすぐ上げます

4.タオルを左右に引っ張り合いながら、ひじを深く下げていき、頭の後ろを通してタオルを下ろします

5.タオルを下ろしきったところで3秒ほどキープ

6.3~5をゆっくり繰り返して腕を上下します(10~20回程度)

 

<ポイント>

・上げる時も下げるときも、タオルが緩まらないようにピンと張った状態で行います。

・腕を早く動かさず、ゆっくり丁寧に上下させます。

・ひじを下げた時、腰が反らないように気を付けます。

 

巻き肩になってしまう原因

・長時間スマホ、タブレット、PCを使う

・裁縫や縫物、手芸などの手作業

・長時間、勉強などで字を書いたり、絵を描いたりする

・睡眠時、いつも横向きで丸まって寝ている

等々、前かがみの体勢になる生活習慣が原因になっています。

なるべく姿勢よく行うよう努力はした方がいいですが、前かがみにならざるを得ないことも多いです。

なので、毎日ちょっとした合間に1~2分でも、ちょこちょこエクササイズして、まめにリセットするのが本当に大事です。

 

タオルを使うエクササイズは、洗顔やシャワーの後についでに行ったり、

デスク横にタオルを一枚置いておいて、一息つく度にいつでも出来るようにしておくなど、

「普段やっている習慣に自然な形で入れ込む工夫」が大切です。

 

◆◆◆まとめ◆◆◆

・巻き肩を改善するためには、

縮まって肩を前に引っ張ている筋肉をゆるめ、伸びてしまった背中側の筋肉を強化する。

具体的には、

1、小胸筋をほぐす

2、前鋸筋をほぐす

3、菱形筋エクササイズを行う

 

・小胸筋は、指圧しながら押しほぐす

・前鋸筋は、手で筋肉を押さえながら、肩を後ろ回しする

・菱形筋は、タオルの両端を引っ張るように持ち、頭の後を通して上げ下げする

 

・日常生活のさまざまな動作において、前かがみになるのは避けられない。

こまめにリセットを!

 

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巻き肩の弊害としては、

・肩こり、首コリ、腰痛といった痛み

・バストダウンや老けてみえるなど見た目の問題

・血流が悪くなり、基礎代謝が落ちる

・呼吸が浅くなる

などなど、たくさんあります。

呼吸が浅くなることの弊害は、これまで何度も書いてきました。

しっかり対策しておきたいですね。

 

次回は、巻き肩と同じように生徒さんでも気になっている方の多い

「ストレートネック」を取り上げようと思っています。

今週もお疲れさまでした☆

 

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今日は残りの人生で一番若い日♪

凛とした姿勢と温かい言葉で充実の一週間を!

所作で女性は変わる【 仁礼塾 】HP

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