VOL.435【姿勢編4】『姿勢のために必要な筋肉』

【姿勢編】第4回のテーマは、

『姿勢のために必要な筋肉』です。

 

第1回はコチラ↓

VOL.432【姿勢編1】『姿勢とメンタルの関係』

第2回はコチラ↓

VOL.433【姿勢編2】『いわゆる“良い姿勢”とは?』

第3回はコチラ↓

VOL.434【姿勢編3】『座り姿勢を整える』

 

赤ちゃんが立てない理由

生まれたばかりの赤ちゃんは、

まだ座ることも立つことも出来ません。

それは、姿勢を保持するための筋肉、

【抗重力筋】が発達していないから。

 

抗重力筋は、地球の重力に対して

立ち姿、座り姿を維持するための筋肉で、以下の筋肉の総称です。

 

 

◆体の前側

・胸鎖乳突筋(首)

・腹横筋(お腹のインナーマッスル)

・大腿四頭筋(太もも前)

・前脛骨筋(すね)

 

◆体の後ろ側

・僧帽筋(首)

・脊柱起立筋群(背中)

・大殿筋(お尻)

・ハムストリングス(太もも後)

・下腿三頭筋(ふくらはぎ)

 

体の前面と背面の筋力バランスを保つことで

立ち姿勢や座り姿勢を維持しています。

 

大人であってもこの筋肉が衰えれば正しい姿勢を保てなくなります。

(姿勢が悪い人は、抗重力筋が弱っています)

 

☆抗重力筋が衰える原因は主に二つ。

1、加齢

2、筋肉を使わない

 

1、加齢

筋肉の量は、20歳頃をピークに、

30歳を過ぎたあたりから少しずつ(自分では気づかないくらいに)落ち始め、

45歳ころから筋力の減少を自覚するようになり、

50歳を過ぎるとそのスピードが加速する、と一般的に言われます。

しかし、成長期にダイエットをしすぎて栄養不足だったり、

運動がかなり不足していたりすると

筋肉量が少ない状態からのスタートとなってしまいます。

 

ちなみに、大腿四頭筋(太もも前側)、殿筋群(お尻)、腹筋や背筋など、

立ったり歩いたり日常生活の動作に必要な筋肉ほど、

加齢の影響を受けて弱くなってしまう、という研究結果があります。

運動習慣のない人は早めの対策が必要ですね。

 

2、筋肉を使わない

文字通り、運動不足などで筋肉を使わない、

ということもそうですが、

前回、「良くない座り姿勢」について、

「猫背や反り腰だと、”腹筋” が使えていない」ということをお伝えしたように、

偏った筋肉ばかり使って、使えていない筋肉があると

その筋肉は自分の仕事を忘れ、衰えていってしまいます。

普段からなるべく正しい姿勢でいること、筋肉をバランスよく使うことが大切です。

 

ダイエットの代償

ここで、筋肉に関連して少しだけ私の話をさせてください。

私はこれまでに3度、体重を激減させたことがあります。

 

1度目(20代)はストレスで。

2度目(30代)は病気で。

3度目(40代)はダイエットのしすぎで。

 

病気などは仕方ないとしても、

やりすぎダイエットは愚かな行為でした。

後悔先に立たずとはこのことです。

 

あるとき頻繁に貧血を起こすようになったので

体重をはかってみたところ

160cmで35kg。

ちょっと怖くなってすぐにダイエットを中止。

そのあと一気にリバウンドしましたが、

どうにかこうにか、今はちょうど良い体重に戻せています。

 

しかし無謀なダイエットの代償は非常に大きく…

代償はいろいろありますが、その中の一つが

筋肉がきれいさっぱり落ちてしまったこと。

 

もともと子どものころから運動が苦手で、

スポーツなどまともにやってこなかった上に

3回も 体重減少→リバウンド を繰り返した私は

筋肉(おそらく骨も)が相当弱くなっていて、

この状態から普通の筋力に戻すのは

かなり時間がかかるだろうと覚悟しています。

正直何年かかるか分からないけれど、

それでも今やらないと、将来、自分の脚で歩けなくなっちゃうと思うので

毎日エクササイズとウォーキング(なるべく長距離)をしています。

もともと体力ないし筋力もないので強度の高いトレーニングはできませんが

とにかく今の自分にできる範囲で続けています。

 

長期的な視点で構える

筋トレでも、ダイエットでも、所作のお稽古や、他の習い事でも、

ビジネスでも勉強でも何でもそうですが、私も含め、多くの人が

”目標達成までの期間を、(希望的観測で) 無意識のうちに短めに設定してしまいがち”

ではないかと思います。

3か月~半年くらいで成果が出ないと、がっかりして見切りをつけてしまう。

私もついついそうなりがちですし、はやく変化や成果が出たら嬉しいけれど

かなり意識して長期的に構えるよう自分に言い聞かせています。

5年くらいかけて理想的な筋肉がついたらいいな、と。

 

私のようにダイエットでやらかしてしまった人や

もう何年も運動らしい運動をしてなくて筋肉が落ちているような人は

成果を焦らず、過程を楽しみながら、ゆったりどっしり構えると良いと思います(^_^)

目には見えなくても、細胞はじわじわと変化しているはず。

筋肉と脳はいくつになっても鍛えられるらしいです。

今日が一番若い日。

スタートする年齢は関係ありません☆

 

 

腹横筋を鍛える

というわけで今日は、抗重力筋の一つ「腹横筋」(体幹)の筋トレを一つ取り上げます。

 

ちなみに腹筋は4層構造になっています。

 

・ 腹直筋(表面)

・外腹斜筋

・内腹斜筋

・腹横筋(深層部)

 

腹直筋は、バキバキに割れる腹筋ですが、

ここを鍛えても姿勢が良くなるとは限りません。

姿勢にとって大事なのは、一番深いところにある「腹横筋」

 

腹横筋を鍛えるメリットは

・体幹が安定して姿勢が良くなる

・内臓の位置が安定する(下垂予防)

・しっかり腹式呼吸ができるようになる

・ポッコリお腹が引き締まる

・発声もしやすくなる

姿勢にとってとても大事なインナーマッスルです。

 

そんな腹横筋を鍛えるトレーニングは色々ありますが、

・筋力ゼロの私でもできる

・動きがシンプルで分かりやすい

・自分の成長が認識しやすい

・慣れてきたら発展形も色々あるので飽きない

しかも、

「今日は時間ない(or 面倒くさい)けど30秒だけでもやるか…」

という感じで毎日続けられているトレーニングが、

(定番ですが)【プランク】です。

今さら説明するまでもないかもしれませんが

念のため正しいフォームをおさらいしておきますね。

 

◆プランクの基本フォーム

 

 

四つん這いの姿勢から、肘を着く。

このとき、肩の真下に肘を着くようにする。

脚を伸ばしてつま先を立てる。(脚は閉じても、肩幅ほどに開いても可)

頭~かかとまで一直線にして姿勢をキープする。

お尻が上がったり、腰が反ったりしないで

”一枚の板” になっているようなイメージ。

真っすぐになっているか自分では分かりにくいので

一度、横から写真を撮って確認すると良いと思います。

 

 

私のような筋力ゼロ人間にとっては、

まっすぐの姿勢で15秒キープするのも最初はかなりしんどかったです。

 

それでも10秒でも20秒でもできる範囲で毎日やっていると

少しずつできる時間が長くなってきます。

まずは20秒×3セット くらいから。

慣れてきたら、30秒、40秒と秒数を伸ばして。

1~2分くらいキープできるようになったら、少しずつアレンジを加えていきます。

 

基本のプランクの体勢のまま片足ずつ脚を上げたり

 

 

ひじを伸ばして腕立て伏せの態勢になって(ハイプランク)

片足ずつひざを曲げたり、

 

反対の手足を交互にあげたりして、負荷を高めていきます。

 

アレンジverはちょっと調べればたくさん出てくるので

物足りなくなってきたらどんどん加えてみてくださいね☆

 

◆◆◆まとめ◆◆◆

 

・【抗重力筋】は姿勢を保持するための筋肉。

 

・抗重力筋が衰える原因は「加齢」&「筋肉を使わないこと」

日常動作に必要な筋肉ほど落ちやすい。できる範囲でエクササイズを。

 

・トレーニングは結果を焦らない。長期的に構えて。

 

・腹筋は四層構造。

姿勢にとって大事なのは、インナーマッスルの腹横筋。

 

・腹横筋を鍛える【プランク】を正しいフォームで行う。

肩の真下に肘をつき、頭~かかとが一直線になるように。

2分くらいキープできるようになったら、アレンジを加えて負荷を高める。

 

・ムリなダイエットはダメ、ぜったい!

 

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【姿勢編】第4回「姿勢のために必要な筋肉」は以上です。

 

ちなみに、ここでご紹介するトレーニングは、「私でもできている」ものだけです。

私ができるものであれば、おそらくどなたでもできます(^^)

ご自身の筋力に合わせて負荷を調節して行ってくださいね。

 

次回も、抗重力筋のトレーニングを一つ取り上げようと思っています。

今週もお疲れさまでした!

 

参考文献―――――――

姿勢の教科書
竹井仁 著

Tarzan No.787
[いい姿勢で、健康になる]

 

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今日は残りの人生で一番若い日♪

凛とした姿勢と温かい言葉で充実の一週間を!

所作で女性は変わる【 仁礼塾 】HP

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