VOL.437【姿勢編6】『所作の安定感の源 ”大臀筋” を鍛える』

【心技体】という言葉がありますが、

スポーツの世界でも、ビジネスの世界でも

その順番は【体→技→心】だと言われます。

 

体(体力・筋力・健康)が土台。

その上で技を学ぶ(学習、練習)。

その過程で、精神も修養される。

 

この【姿勢編】は”体作り編”です。

 

先日「所作を美しくするためには筋トレやらなきゃだめですか?」

と質問されました。

 

もちろん、どう美しくしたいかにもよるとは思いますが、

生徒さんの所作を拝見していると、

立ち座りのときにグラついたり、バランスがうまく取れないことや、

姿勢を整えた瞬間はきれいだけど、一分後には元の姿勢に戻っている、

ちょっと動くと崩れる、ということがよくあります。

 

一方、日常的にヨガや筋トレなど、しっかり体作りをしている生徒さんは

その土台がある上で所作の技を学び、稽古をすると

振る舞いがみるみる変わっていきます。

 

このことからも、基本的な姿勢のための筋力がない場合は

体作りからやる必要があると感じます。

 

そして、この【姿勢編】は、“運動習慣のない方向け” に書いています。

なので、シンプルで基本的なエクササイズのみ取り上げています。

実際のところ、姿勢、所作のための体作りなら

そこまでハードな筋トレをする必要もありません。

 

一日に30分とか1時間とか、まとまったトレーニングの時間をとる、というよりは、

寝る前とか、家事などの合間に、3分、5分ちょこちょこ体を動かすことを

日々の「当たり前の習慣」にして、自然と土台となる体を作り、

その上で、所作(技)を学び、身につけていけば

その過程で様々な “気づき” があり、内面も自ずと変化していく、と考えています。

 

 

というわけで今回は、お尻の筋肉【臀筋(でんきん)群】です。

 

下半身安定の要

 

 

臀筋は、大臀筋・中臀筋・小臀筋、の3種類ありますが

先週取り上げた「腸腰筋(大腰筋)」とともに

骨盤の安定をサポートしつつ、おもに股関節の動きに関与しています。

 

大臀筋は、脚を後ろに引く働きをし、中臀筋は、脚を左右に動かします。

歩いたり走ったり、立ったり座ったりといった日常動作において重要な役割を果たしています。

歩くときや、片脚立ちになったとき、体が横にブレる人は中臀筋が弱いかもしれません。

お尻を鍛えることで、姿勢の土台となる下半身が安定します。

シンプルなエクササイズを、日常の中に組み込んでしまいましょう。

 

ちなみに、大臀筋のトレーニングをする上で注意する点が一つあります。

それは、トレーニング中、骨盤の傾きを適切に保つこと。

後傾していたり、前傾しすぎていると、お尻にきちんと負荷がかからず、効果が半減してしまいます。

なので、まずは骨盤の位置を適切に整える必要があります。

そのために必要な筋肉が、前回取り上げた「大腰筋」

大腰筋と大臀筋は、セットで鍛えると効率的です。

 

ということで、その両方を同時に鍛えられるトレーニングとして

オススメなのが「踏み台昇降」です。

 

「踏み台昇降」の効果

・骨盤周り(大腰筋、大殿筋)

・太もも(大腿四頭筋、ハムストリングス)

・体幹(腹筋・背筋)

・ふくらはぎ(下腿三頭筋)

体幹~下半身の筋肉をまとめて鍛えられ、

続けることで心肺機能が高まり、血行も良くなります。

 

踏み台については、安定していればどんな台でもできますが

専用の踏み台は高さが変えられるので負荷を調節できます。

ちなみに私は3段調整できるものを使ってます。

もし家にある台や、自作の台を使うのであれば、

高さは10cm~20cm にすると良いです。

 

踏み台昇降のポイント

・まず、いつものように姿勢を整えます。(頭・肩・大転子・くるぶし)

・下を向かず、目線は正面に向けます。

・かかとから踏み込むとお尻に効きます。

・降りるときはつま先から降ります。

・大きな足音を立てず、静かに昇降します。

・腕は自然と振ります。

私は、5分くらいの曲をBGMにして、リズムに合わせて

1回目:右足から5分

2回目:左足から5分

3回目:右足から5分

4回目:左足から5分

5分×4回で20分やっています。

終わるころには汗だくで良い運動になってます。

自分の体力に合わせて増減してください。

慣れてきたらテンポを速くしたり、ダンベルを持つのも良いです。

膝に痛みのあるときはやらないでくださいね。

 

 

立ったままバックキック

大臀筋をピンポイントで鍛えるなら、「バックキック」です。

四つん這いで行うのも良いですが

 

私は、床についている膝と手首が痛くなるので、立ったまま行うことが多いです。

 

立ったままバックキックのポイント

1、手を壁やイスの背もたれなどに軽く添えて、身体を安定させます。(体重はかけない)

2、背筋を伸ばして、脚を腰幅に開いて立ちます。

3、お尻を引き締めながら、右脚を後ろに蹴りあげます。反動で早く動かさず、ゆっくりと。

息を吐きながら脚を蹴り上げ、息を吸いながら戻す、という動きを10回~20回くりかえします。

4、脚を変えて同様に行います。

 

 

※脚を後ろではなく横へ上げれば中臀筋が鍛えられます。

 

【コツ】

・気を抜くとすぐに腰が反ってしまうので、腹筋を使ってなるべく真っすぐを保ちます。

・蹴り出した脚は膝を曲げず、まっすぐ伸ばします。

・つま先は外に向けず正面を向くようにします。

 

慣れると家事をしながらでもできるので、いつでもどこでも

ちょこちょこ行うのを積み重ねていくと良いと思います。

トレーニング後はストレッチしておきます。

 

◆◆◆まとめ◆◆◆

 

・「心技体」の順番は、体→技→心。まずは土台の体作りから。

 

・お尻の筋肉は、骨盤の安定をサポートする&股関節を動かす働きがある。

 

・大腰筋と大臀筋はセットで鍛えると良い

 

・「踏み台昇降」は、体幹~下半身の筋肉をまとめて鍛えられ、心肺機能が高まり、血行も良くなる。

 

・バックキックはお尻をピンポイントで鍛えられる。

反動をつけず、呼吸に合わせてゆっくり後ろに蹴り上げる。腰が反らないよう気を付けて行う。

 

――――――――

大臀筋は、単一の筋肉としては身体の中で最も大きな筋肉で、

ここを鍛えることで骨盤が整い姿勢が良くなるのはもちろん、

基礎代謝も上がり、運動のパフォーマンスも上がり、ウエストも引き締まります。

ぜひ積極的に鍛えたい部位ですね。

 

次回は、生徒さんでも気になる方が多い「巻き肩」を取り上げたいと思っています。

今週もお疲れさまでした☆

 

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今日は残りの人生で一番若い日♪

凛とした姿勢と温かい言葉で充実の一週間を!

所作で女性は変わる【 仁礼塾 】HP

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