VOL.440【姿勢編9】『脊柱起立筋を鍛える』
【姿勢編】第9回のテーマは『脊柱起立筋を鍛える』です。
脊柱起立筋は、骨盤から背骨を通って、首まで続いている筋肉の集まりで、
上半身を伸ばしたり、横に曲げたりする働きがあります。
重たい頭を支えている脊柱が、重力に負けて倒れてしまわないのは
この筋肉が頑張ってくれているからで、
その上さらに猫背や前かがみでいると、
ますます負担が大きくなり、腰痛の原因になります。
所作を美しくする上でのカギとなる筋肉でもあると思っています。
脊柱起立筋をほぐす
脊柱起立筋は、姿勢維持にとって非常に重要な筋肉であるとともに
毎日酷使している部分でもあるので、
マメにほぐして柔らかく保てるようケアします。
ストレッチの仕方は色々ありますが
簡単でしっかり伸びるので私が毎朝やっているのは、これです。
◆肩入れストレッチ
イチロー選手が良くやっている、あのストレッチです。
<やり方>
1.つま先を外に向け、肩幅の1.5倍くらい脚を開いて立つ。
お尻を後ろに引きながら膝を曲げていき、
お相撲さんが四股を踏むように腰を落とします。(中腰くらいの深さに)
2.下半身はそのままで、 両手を膝に乗せ、
息を吐きながら上体をねじって右肩を前に。
背骨を斜めに伸ばします。反対側も同様に。
※中腰くらいの深さで伸ばすと脊柱起立筋がストレッチされ、
さらに腰を深く落とすと股関節がストレッチされます。
ついでに両方ストレッチすると良いと思います。
脊柱起立筋を鍛える
◆エクササイズ1「お辞儀」
以前の記事で、極端な体重の増減を繰り返したことで
私は筋肉が全くない状態からスタートしている、
といった感じのお話をしたことがありました。
そんな私ですが、
唯一、ジムのトレーナーさんがびっくりするほど
発達している筋肉が、脊柱起立筋でした。
「これはトレーニングしたことのない人の
背中ではないと思うんだけど…」と解せない表情。
なぜ私の脊柱起立筋がそれほどまでに鍛えられていたかというと、
「お辞儀」です。
毎日、正しいフォームで何度も何度も、稽古の中でお辞儀をし続けてきた結果、
自然とめちゃくちゃ鍛えられていました。
NHKの「あさイチ」でも、脊柱起立筋のトレーニングとしてお辞儀が取り上げられていました。
お辞儀をすることで脊柱起立筋の活動量が3倍になるとのこと。
とは言え、ただやればいいわけでなく、しっかり筋肉が使われるためのコツは、
「最初に正しい姿勢をつくり、頭~腰まで一直線をキープしたまま、股関節から折り曲げること」
腰(お尻)を後ろに引いて、体を「くの字」にしていくイメージです。
お辞儀をどんどん深くしていったとき、
ひざの裏~ふくらはぎの辺りがピンと張っていれば、美しい姿勢が保たれています。
背中が丸まっていると脚の裏は伸びません。
所作の稽古とトレーニングを兼ねて、鏡を見ながらぜひ毎日行ってください。
・美しくお辞儀をする
↓
・脊柱起立筋が鍛えられる
↓
・きれいな姿勢を保てるようになる
↓
・さらに所作が美しくなる
お辞儀の稽古は“挨拶の練習”というよりも
所作の土台をつくるものと私は捉えています。
また、掃除機をかけたり、洗い物をしたり、腰を曲げて行う家事の際、
この正しいお辞儀のように上半身をまっすぐに保ったまま
股関節から腰を折るようにすれば、家事をしながら脊柱起立筋を鍛えることができます。
◆エクササイズ2「クロスレイズ」
脊柱起立筋はもちろん、広背筋や僧帽筋、大臀筋やハムストリングスなど、
体の後ろ側の筋肉を同時に鍛えることができるので、
時間がなくて色々なエクササイズができない日は、
とりあえずこれをやるだけでも良いかもしれません。
<やり方>
1、四つん這いになる
四つん這いになったら、手足は肩幅くらいに。
腰が反らないよう腹筋に力を入れて体幹を安定させます。
2、右手と左足を、床から浮かせる
右手は前方に伸ばし、左足は後ろ側に伸ばし、床から少し浮かせます。
3、手足を上げ下げする
3秒かけて浮かせた手足をゆっくり上げ、
3秒かけてゆっくり下げる、という動きを
10回ほど繰り返します。
4.手足を入れ替えて、反対側も同様に。
※手足を上げるときは、腰を痛めないよう背中を反らせないようにします。
<ポイント>
◆呼吸を止めない
息を吐きながら手足を上げ、息を吸いながら元に戻します。
◆反動をつけない
反動をつけて行うと、脊柱起立筋以外に負荷がかかってしまったり、
腰を痛めることにも繋がります。
勢いをつけず、ゆっくり丁寧に行うようにします。
◆間をあける
巻き肩、ストレートネックのときは、
一日に何度もちょこちょこエクササイズするとお伝えしましたが、
脊柱起立筋は、負荷の高い筋トレをすると、
傷ついた筋肉の回復に時間がかかるとされています。
もししっかりと脊柱起立筋の筋トレを行った場合は、
3日~4日ほど空けてトレーニングを行うようにします。
◆◆◆まとめ◆◆◆
・脊柱起立筋は、骨盤から背骨を通って首まで続いている筋肉の集まり。
体を伸ばす、横に曲げる、といった働きがある。上半身が倒れないのはこの筋肉のおかげ。
・「肩入れストレッチ」でしっかりほぐす
・「美しいお辞儀」は脊柱起立筋が鍛えられる。
ポイントは、
「最初に正しい姿勢をつくり、頭~腰まで一直線をキープしたまま、股関節から折り曲げること」
脚の裏がピンと張っていればOK。背中を丸めない、首を下げない。
・「クロスレイズ」で、体の後ろ側の筋肉全体を同時に鍛える
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「お辞儀の稽古は所作の土台をつくる」とレッスンの中で何度も言い続けてきました。
姿勢、呼吸、表情、声、といった4つの柱を鍛え、磨くことができるからです。
お辞儀の練習なんて・・・とわりと馬鹿にされがちですが
真剣に取り組んでみると、その奥深さに気付くはずです(^_^)
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次回は「姿勢と呼吸の関係」を取り上げます。
【調身・調息・調心】という言葉があるように、
『姿勢・呼吸・心』は密接に関係しています。
所作においても呼吸のリズムは大切なので、
改めて学んでおきたいと思います。
今週もお疲れさまでした!
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今日は残りの人生で一番若い日♪
凛とした姿勢と温かい言葉で充実の一週間を!
所作で女性は変わる【 仁礼塾 】HP
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