VOL.461『手伝わさせてください(?)』

以前、『ら抜き言葉の見分け方』についての

記事を書いたことがあります。

”来れる・来られる”

どちらが正しいか説明できないかも…?

という方は、読み返してみてくださいね。

VOL.414『ら抜き言葉』の判断方法

 

つい先日、テレビから

「私に手伝わさせてください」

という声が聞こえてきました。

どうでしょう?違和感ありますか?

 

「ら抜き言葉」ほどではないけれど

時々聞こえる「さ入れ言葉」

 

「お先に行かさせて頂きます」

「私も一緒に乗らさせてください」

「ここに置かさせてもらっていいですか?」

「本、読まさせていただきました」

 

「さ入れ」という現象は、

”五段活用の動詞に、余計な「さ」を入れてしまっている状態” です。

 

五段活用は、後ろに「ない」をつけた時「ア段」になる言葉。

・行か+ない(ika – nai)

・乗ら+ない(nora – nai)

・置か+ない(oka – nai)

・読ま+ない(yoma – nai)

これらを使役の形にするときは【せる】だけをつけて

・行く→行かせる

・乗る→乗らせる

・置く→置かせる

・読む→読ませる

となります。

 

そして、五段活用以外の(ア段以外で終わる)動詞は【させる】をつけます。

・着る(ki-nai)→着させる

・受ける(uke-nai)→受けさせる

・来る(ko-nai)→来させる

・食べる(tabe-nai)→食べさせる

この辺のややこしさと、

昨今の「させていただく使いすぎ問題」が相まって

さ入れ言葉が増えたのかなと思ったりします。

(「させていただく使いすぎ問題」の記事
https://1103h.com/2020/11/23/vol-399/ )

 

私自身、そんなに目くじら立てることでもないよね、とは思っていますが

ら抜き言葉の時も言ったように

口語だとそれほど気にせず聞き流せることも

文章だと違和感を覚えることがありますし

本来はどういう言い方をするのかを知っておいて損はないと思うので、

取り上げてみました。

 

もし、せる?させる?と迷ったら

五段活用(ア段で終わる)なら【せる】!

と覚えておけばOKです。

 

言葉を丁寧に扱う、というのは

言葉に興味・関心を持つ、ということでもあります。

はるか昔の国語の授業を思い出しつつ、

少しでも参考になれば幸いです(^_^)

 

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今日は残りの人生で一番若い日♪

凛とした姿勢と温かい言葉で充実の一週間を!

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